「 空を超えて ラララ 星のかなた 、、、 十万馬力だ 鉄腕アトム ~! 」
この歌詞、あなたは聞いたことがありますか?
こんにちは、あと15年もすれば、ロボットの世界が本格化するのではないかと予想する、うま博士(見習い)です。
ところで、十万馬力ってどれぐらいの力なの?
と疑問に思ったので、調べてみました。
馬力って、名前の通り馬の力を示していそうですね。
実際もその通りで、馬力とは、馬一頭が発揮する仕事率を1馬力と定めたものでなのです。
仕事率とは、単位時間内に(例えば1分や1秒の間に)どれだけのエネルギーが使われているかを表す物理量です。
ジェームズ・ワットは、既存の蒸気機関の改良によって、イギリスをはじめとした世界の産業革命の推進に貢献した人物として有名です。
この時代、蒸気機関が登場する前に、イギリスで主に使役に使われていたのは馬でした。
そして、蒸気機関を市場に売り込むためには、その性能を客観的に示す必要があったのです。
そこで、様々な人が、馬のする仕事を基準とした単位を考案しました。
これら馬力単位の混乱に終止符を打ったのも、ワットなのです。
ワットが定めた馬力は、当時の標準的な荷役馬1頭のする仕事を基準としています。
ワットは幾つかの実験をして、荷役馬は1分間に120ポンド(lbf)の重さの荷物を、196フィート(ft)の高さに持ち上げることが出来ると結論付けました。また、その運動を持続できる値は、それより低い21952フィート・ポンド(lbf・ft)だと結論付けました。
後で蒸気機関を使用した際に、蒸気機関に対してお客から不満が出ないように1.5倍の値、1分間に33000フィート・ポンド(lbf・ft)の割合で仕事を遂行する場合を1馬力と定めました。これを毎秒に直すと、550フィート・ポンド(550 lbf・ft/s)となるのです。
このことから分かる様に、挽馬が継続的に荷を引っ張る際の仕事率を基準としています。
これは、ポンドで表す馬力で英馬力と言われています。
この英馬力を、メ-トル法に基づいて換算すると、550 lbf・ft/s ≒ 76.040225 kgf・m/s となり、可能な限り簡素な数値としてきりの良い、75 kgf・m/sと定義したものが仏馬力なのです。
代表的な乗り物の馬力は、次の通りです。
人間 0.2馬力
原付 約7馬力
軽自動車(ターボ車)約64馬力
自動車(プリウス)約111馬力
サーキットF1 約700馬力
90式戦車 約1,500馬力
電車(山手線11車両)約3,100馬力
新幹線(N700系)約23,000馬力
航空機(B777)約96,000馬力
鉄腕アトム 十万馬力
客船(クイーン・エリザベス2)約130,000馬力
戦艦大和 約150,000馬力
戦闘機(F15)約200,00o馬力
スペースシャトル 約5,650万馬力
ちなみに、月のアポロ計画でサターンⅤ型ロケットの第一段ロケットS-ⅠCに5基搭載されていたF1ロケットエンジンは、5基でなんと約1億6000万馬力もあるのです。
世界の馬の数がだいたい5,800万前後ですから、世界の全馬の馬力で宇宙に行ける、という感じでしょうか?
ワットも、こんな近い将来に宇宙に行けたり、1億を超える馬力の乗り物が作られるとは、想像できなかったのでは無いでしょうか?
馬力という一つの言葉をとっても色々な繋がりがあって、世界が広がりますね。
あなたにも何か驚きがありましたか?